地域学校協働活動推進に係る事例インタビュー

門川町

~地域学校協働本部と学校運営協議会の一体的推進目指した体制づくり~


取材日:令和元年8月27日(火)
聞き手:(生涯学習課)鈴木重徳、佐藤寿哉         (北部教育事務所)児玉
(教育研修センター)才名園                             
               回 答:門川町教育委員会 教育総務課  課長補佐  中田 憲治 さん
                   門川町教育委員会 社会教育課  課長補佐  大澤 陽一 さん
                        門川町立門川中学校           校  長  濵砂 光弘 さん
                        門川町福祉課                課  長    橋口 聡 さん
                        門川町福祉課 子育て支援係     主  事  黒木 翔太 さん
                   文 責:生涯学習課


地域学校協働本部の整備と地域学校協働活動推進員さんの委嘱までの経緯について教えてください。

(大澤補佐)
  昨年7月に、教育長、教育総務課課長補佐、教育総務課指導主事、社会教育課課長補佐による、コミュニティ・スクール勉強会を発足し、11月までに7回開催しました。この勉強会では、地域学校協働活動やコミュニティ・スクールについて資料を持ち寄って情報交換を行ったり、規則の改正や地域学校協働本部設置要綱(以下「要綱」)について協議を行ったりしました。
 それを経て、規則の改正案や要綱案ができあがり、承認・決裁を受け、1月の定例教育委員会において説明を行いました。その後、推進員を委嘱する前に、小中学校校長会や地区会長・自治公民館長連合会理事会において、事業説明を行い、地域学校協働活動推進員の推薦を依頼し、推薦をいただきました。
 2月末には、三役会議(町長、副町長、教育長による会議)において、地域学校協働本部、地域学校協働活動推進員、コミュニティ・スクールについて協議を行いました。
 それから、既存の組織である「地域教育協議会」(学校支援地域本部)で制度の説明を行い、推進員について、これまでコーディネーターを担っていただいていた方に、地域学校協働活動推進員を委嘱することを説明しました。また、要綱について意見をいだだき、再度検討して修正しました。
 その後、今年3月の臨時教育委員会において、6名の地域学校協働本部員(ここでの地域学校協働本部員とは、門川町地域学校協働本部設置要綱第3条に基づき、地域学校協働推進員、地域関係団体代表、地域連携担当教職員のことである。なお、地域連携担当教職員1名は、新年度に決定するため4月23日の定例教育委員会で承認)と推進員委嘱についての議案を提出し、承認を得ました。そして、3月27日の地区会長会おいて、全区長を対象に、要綱、地域学校協働本部員、推進員についての説明を行っています。
 今年度4月1日になり、推進員への委嘱状交付を行いました。また、4月18日には、町校長会において、地域学校協働本部員についての説明を行ったところです。
 5月になり、地域学校協働本部員の委嘱状交付を行い、第1回の本部会議を行いました。本部会議では委員の方が緊張せず、気軽に発言できるように、教育総務課課長補佐、教育総務課指導主事、社会教育課課長補佐のみが出席しています。

勉強会からはじめ、推進員の委嘱、地域学校協働本部の設置まで、約1年間という短い期間で行われていますが、どのようなスケジュールで行われてきたのでしょうか。

(大澤補佐)
 昨年の5月当初から、新年度の体制整備の完成を目指して進んできたわけではありません。いろいろな協議を重ねる中で、とにかく新年度には、推進員を委嘱したい、地域学校協働本部を設置したいという目標が生まれ進めてきました。
 また、県から協働活動や協働本部についての説明会が開かれ、その中で示された要綱(案)が非常に参考になり、準備が加速したと思います。やはり要綱(案)のように、叩き台のようなものがないと、一から作成するのは、厳しいと感じています。案をもとに、門川町ならではのものを作成しています。
 地域学校協働活動は、学校も地域も巻き込んだ活動になるので、やはりいろいろなところに丁寧に説明し、理解してもらう必要があると思います。この点は、まだまだだと思いますので、これからもがんばっていきたいと思います。

(中田補佐)
  学校運営協議会(コミュニティ・スクール)については、新年度からの導入を目指していました。学校運営協議会は地域学校協働本部と一緒に動いていくものなので、社会教育課と一緒に、勉強会を 行ったことにより、短期間で体制整備が進んだと思います。
 しかし、スケジュール的に、本来2年間くらいかけて準備するところを1年間でやってきたという感じがします。教育総務課、社会教育課職員全員がしっかり理解して、スタートするためには、2年くらいの準備期間があるといいと思います。

コミュニティ・スクール導入までの経緯について教えてください。

(中田補佐)
  地域で子どもたちを育てるという観点から、本町には「教育の絆」推進懇話会という協議会があります。その中で、いろいろな地域団体の代表に来ていただいて、ラジオ体操や防災訓練、キャリア教育等を中心に、地域で子どもを育てる取組についての協議や報告を行っています。
 現在は、町主体でやっているけれども、それがだんだん学校主体の取組に移行していけるとよいと考え、その一つのきっかけとして、昨年度「県民総ぐるみ教育推進研修会」を町として受けました。
 門川中で「県民総ぐるみ教育推進研修会」を行ったことで、地域の方々にもこのような教育が必要なのだと伝えられ、これを機会にコミュニティ・スクールを導入していこうという動きになりました。
 その前には、5月頃から設置に向けての準備を開始し、7月頃から勉強会を実施してきました。第2回の勉強会(8月10日)の時点では、町内の学校全て一斉に始めるか、単独の学校で、まずモデル的にやってみるか、その際どのようなメリットやデメリットがあるかなどを検討しています。第3回~第7回については、その度に、教育総務課課長補佐と指導主事で、月1回程度資料を準備し、教育長へのレクチャーを行いました。
 9月20日に開催した第4回に、次年度(平成31年度)は門川中1校をモデル校として取り組んでいくことを決定しています。第5回になると、内容についての検討が始まりました。一番の検討事項は、教職員の任用の部分についてどうするかでした。また、協議会委員数等をどうするかについては、他の市町村を参考にしながら協議を進めました。
 第6回では、周知面からパンフレットづくり(11月に完成)について、第7回は、設置要綱についての検討を行っています。
 その他、大澤補佐が説明したように、様々な場で周知を目的とした説明を行いましたが、特に12月と3月に開催された総合教育会議では、町長、副町長に、コミュニティ・スクール導入はまちづくりにも関係することを説明しています。門川中学校の職員に対しては、昨年度の冬季休業期間中、校内研修において校長及び教育総務課指導主事から説明を行いました。

(濵砂校長)
  昨年度、定例校長会で教育長からコミュニティ・スクールについて、本年度から、どこか1校で先行実施をし、来年度から全ての学校で導入したいという説明がありました。
 そこで、校長としては、以前から地域の力を更に借りて学校経営をしたいという思いがあったため、門川中学校が先行実施しますと手を挙げたところです。
 職員に対しては、昨年度の冬休みに、コミュニティ・スクールの必要性についての校長の思いを話し、日髙指導主事からもコミュニティ・スクールについての具体的な説明をしてもらいました。
 本年度、20名の学校運営協議会委員(翌年度からの全学校での実施を見据え、他の学校の候補者にも入ってもらっているため本年度のみ人数が多い)が決定し、委嘱されました。委員さんは、町教委にも協力をいただき多岐にわたる地域の有識者を選ぶことができたと思っています。
 これらを受けて、校長として、本年度は3回の学校運営協議会を開催したいと考えました。6月に第1回を開催しています。本来ならば昨年度末に行っておくべきことですが、昨年度の学校評価を踏まえた学校経営方針を説明させていただき、意見をいただきました。
 今後、第2回を10月に予定しているため、「6月から10月まで(夏から秋にかけて)に、協議会委員がやりたいこと」を1点考えるという内容で、ワークショップを行いました。その際は、本校職員が考える学校の課題を一覧表にまとめ、地域の方に協力いただきたい事柄を協議会委員に提示し考える材料の一つにしました。
 その時に決まったことは、本町が夏休みのラジオ体操に力を入れていることもあり、「町一斉ラジオ体操において、中学生の役割をつくろう」ということになりました。この点については、学校から地区懇談会で保護者や地域の皆さんに説明し、依頼しました。
 更に、協議会委員から、自分の子どもが中学校を卒業したり、成人したりしているため、現在の中学校の課題が把握できないという意見があったことから、「10月までに、最低1回は学校に来て、生徒の日常の様子を見ていただきたいということをこちらから依頼しました。
 10月の第2回学校運営協議会では、夏休みのラジオ体操と学校の様子を見ていただいたことをもとに取組の反省と生徒を観察した感想を出し合うとともに、今度は、「秋から冬にかけてやってみたいこと」を1点考えてもらう予定です。更に、「門川中学校の生徒像をどのように求めるか」という内容も投げかけていきたいたいと思います。そのため、2本手立てのワークショップになると考えています。
 来年2月に開催する第3回では、これまでの学校運営協議会で出された意見や、本年度の学校評価を踏まえて、来年度の学校経営方針を説明し、意見をもらい、承認をいただきたいと考えています。
 私としては、中学生を門川町の活性化のために、積極的に地域に出したいとも思っています。

コミュニティ・スクール推進に向けての課題は何ですか。

(濵砂校長)
 中学校としては、地域の協力をいただくとともに、地域の活性化等に貢献することで、WIN-WINの関係を築いていきたいと思っています。そのためには、少し時間がかかると思いますが、地域も学校も教育に携わっていることや地域の活性化を図っていくという当事者意識を高めていくことが必要だと思います。また、できれば協議会委員を対象にした、研修会が実施されるといいと思います。
 ややもすると、学校評議員会と同じ機能になってしまう懸念があるため、校長の経営方針に地域の代表としての建設的な意見を述べるような意識の高揚を図っていく必要があると思います。
 コミュニティ・スクール導入1年目の今年度は、あまり焦らずできることを無理なく進めたいと考えています。その中で、職員の意識を高めたり、社会に開かれた教育課程を少しずつ実現したりしていきたいと思っています。ただ、20名の協議会委員に、最低1回は学校に来ていただいて、普段の学校の様子を見ていただくことは必ず実現したいと思っています。

社会教育課と教育総務課、福祉課、地域学校協働活動推進に関する首長部局各課との日頃の連携はどうですか。

(大澤補佐)
 社会教育課と教育総務課は、同じ教育委員会で隣にあるので連携はあります。福祉課や他の首長部局との関わりとしては、「アームインアームかどがわ」(要保護児童対策地域協議会)や「子ども見守りネットワーク会議」での連携があります。
 「子ども見守りネットワーク会議」の事務局は、社会福祉協議会に担っていただいており、いろいろな関係機関に入ってもらって、登下校の見守り等をやっています。

門川町
【濵砂校長先生による説明の様子】

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~地域学校協働本部と学校運営協議会の一体的推進目指した体制づくり~
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