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本県生涯学習基本的考え方

生涯学習の基本認識について

本県では、近年の複雑化・成熟化していく社会の著しい変化に対応し、一人一人が自己の充実と生活の向上を求め、より豊かで充実した人生を送るために、自己に適した手段や方法により、生涯を通じて行う学習を生涯学習ととらえている。

上記のような基本認識にたつと、生涯学習とは、教育、教養、文化、体育・スポーツをはじめ、趣味、レクリエーション、ボランティア活動及び職業に関する ものなど、人々の実生活に即した広範な分野に及ぶ学習活動といえる。

このような学習活動を県民一人一人が自ら進んで行うことにより、社会の変化に主体的に対応し、生涯にわたって、心豊かにゆとりと生きがいのある充実した生活を送ることができる。
また、この学習活動により、身につけた知識や技術は、明るく、豊かで、活力に満ちた家庭や職場、さらには、地域社会づくりの実現にも結びつくことが期待できる。
このように、生涯学習は、より良く生きるための個人の学習とともに、家庭や職場、地域をそれぞれに充実・向上させ、活性化させていくという社会的な性格を併せ持っている。

生涯学習の必要性について

わが国は、成熟社会へ向けて急速に進展している。このような社会の変化の中では、もはや、人々は学校教育で身につけた知識・技術等では、社会生活や職業等に対して十分な対応をすることは不可能となってきている。そのため、生涯を通して絶えず新たな知識や技術を習得し、より豊かで充実した人生を送るために、生涯学習に取り組むことが必要になってきている。
今日、生涯学習の必要性が高まってきた社会的背景には、次の諸点があげられる。

(1) 科学技術の高度化

めざましい科学技術の高度化は、人々の生活環境を大きく変化させており、絶えず新たな知識・技術への対応が必要となってきている。

(2) 情報化

国際化の急速な進展により、我が国が国際社会の一員として積極的な役割を果たすとともに、国際社会に貢献していくことが求められている。そのためにも異文 化を理解・尊重するとともに、我が国の文化にも正しい認識を持つことが必要となっている。また、国際情勢は常に変化しており、これに適切に対応することが求められている。

(3) 国際化

めざましい科学技術の高度化は、人々の生活環境を大きく変化させており、絶えず新たな知識・技術への対応が必要となってきている。

(4) 高齢化

我が国の高齢化は急速に進んでおり、特に、本県においては、西暦2000年には県民の5人に1人が高齢者という時代を迎えると予想されている。この高齢化は、年齢を問わず、全ての人に関わる事柄であり、生涯にわたって、この問題への理解と心構えを持つことが必要となってきている。

(5) 価値観の変化と多様化

生活水準の上昇、自由時間の増大、教育水準の向上などを背景として、ものの豊かさから心の豊かさが求められ、価値観が多様化し、生涯を通じて生きがいや自己表現など人間性豊かな生活を求める意識が高まっている。

(6) 科学技術の高度化

めざましい科学技術の高度化は、人々の生活環境を大きく変化させており、絶えず新たな知識・技術への対応が必要となってきている。

(7) 男女共同参画社会の形成

女性の社会進出が進む中で、男女の固定的な役割分担意識を改め、社会のあらゆる分野に女性が参画できるよう条件整備を図っていくことが求められている。

(8) 家庭・地域の変化

都市化、工業化、核家族化、少子化等に伴って、人間形成の基礎を培う家庭や地域社会の基盤の弱体化が危惧されており、その機能を回復し充実させることが必要となってきている。

生涯学習推進の現状について

(1) 行政的側面の現状

本県の生涯学習は、平成2年3月に策定した「宮崎県生涯学習推進基本構想」をベースにして、「宮崎県教育基本方針並びに重点施策」及び「第4次宮崎県総合長期計画」に則り、「生涯学習の振興のための施策の推進体制等の整備に関する法律」、「中央教育審議会」や「生涯学習審議会」等の答申の趣旨を生かしながら、教育行政施策として推進してきた。

現在、教育委員会、知事部局の生涯学習に関わる事業をみてみると、その数は220にも及ぶが、それぞれの目的にそった事業を体系化し、連携して、総合的に推進する体制にまでは至っていない。

(2) 学習者の現状

実態調査を実施していないので、「宮崎県生涯学習推進会議」が平成2年3月に策定した「宮崎県生涯学習推進基本構想」と各委員のそれぞれの立場からの意見、認識をもとに現状を次のように検討した。

県民の生涯学習に対する「意識」や「関心」は、各市町村における啓発促進や公民館等における学習活動の増加、カルチャーセンター、専修学校・各種学校等の教育事業所の普及、県行政で進めている生涯学習基盤整備等により、年々、高まってきている。その中には、企業、民間教育事業所や大学、高等学校等の生涯学習関連機関で実施している生涯学習の機会を利用して、より高度な内容を求めて積極的に学習している県民の増加もみられる。

しかし、県全体としては、生活環境上、職業上あるいは意欲、関心等の問題から、具体的な学習活動に結びついていない県民の実態もある。

生涯学習推進の課題について

(1) 生涯学習実態調査の必要性

本県の生涯学習は、平成2年3月に策定した「宮崎県生涯学習推進基本構想」をベースにして、「宮崎県教育基本方針並びに重点施策」及び「第4次宮崎県総合長期計画」に則り、「生涯学習の振興のための施策の推進体制等の整備に関する法律」、「中央教育審議会」や「生涯学習審議会」等の答申の趣旨を生かしながら、教育行政施策として推進してきた。

現在、教育委員会、知事部局の生涯学習に関わる事業をみてみると、その数は220にも及ぶが、それぞれの目的にそった事業を体系化し、連携して、総合的に推進する体制にまでは至っていない。

(2) 学習者主体への移行

これからの生涯学習は、生涯にわたって自らを高め、輝かせるために、自らの意志によって、学習の機会や手段等を選択し、自己に適した方法で学び続けるという生涯学習の基本に立ち返り、学習者主体論にたった自己啓発、自己実現を図る学習の推進体制を整えることが必要である。
また、生涯学習は、「学習」ということと同時に、楽しいという意味での「楽習」を含めるべきである。「学習」というと、デスクワーク的なイメージに偏りがちになるが、「楽しく学ぶ」という認識も必要である。

(3) 宮崎らしさの創出

本県の生涯学習の推進に当たっては、「住みよいふるさと宮崎づくり」という県政のキャッチフレーズにふさわしい宮崎の地域性を、どのように取り入れていくかが一つの課題であり、「ソフト面」と「ハード面」の両面にわたっての検討が必要である。

(4) 総合的・体系的な行政の支援

生涯学習は、一般的な認識として、単に学校教育以外の学習の機会や場としてとらえられ、社会教育という一つの分野での学習という考え方が依然として残っている。

他方、知事部局も含めた県行政当局で推進されている生涯学習関連事業は、前記のように220の多くに及んでいる。

したがって、このような現状のもとでは、教育行政の範囲だけえは、総合的な生涯学習の推進は望めない。そこで、生涯学習の基盤整備等については、知事部局と教育委員会が一体となった総合的・体系的な行政の支援が不可欠である。

(5) 生涯学習の広域的な連携

生涯学習を推進することは、県民一人一人の生活のうるおいや豊かさ、人間としての在り方、生き方を求める人づくりばかりではなく、「住みよいふるさと宮崎づくり」等の県政課題とも深く関わるものでもある。
したがって、これからの行政はその施策の推進に当たっては、生涯学習の広域的連携という課題も視野に入れて、全県的に対応することが必要である。

(6) 生涯学習情報提供・学習相談体制の整備

現在、県民の学習活動の支援の一環とし て、県や市町村の行政機関はもちろん、民間教育事業所等からも広報誌やガイドブック、放送メディア等の様々な情報媒体により、学習情報の提供がなされている。しかしながら、その情報は、それぞれの機関によって独自に提供されているものが多く、必ずしも県民の求めに応じた体系的で、きめ細かな生涯学習情報提供及び学習相談に応じる体制に至っていないのが現状である。

今後、ますます高度化・専門化・多様化してくる県民の学習ニーズを考えるとき、関連機関・団体からの一方的な情報提供だけでなく、学習者の求めに応じた生涯学習情報提供及び学習相談体制の連携のとれた整備が緊急かつ不可欠である。

(7) 生涯学習の中心機関となる施設の設置

以上のような諸問題に県行政として総合的に取り組むためには、生涯学習の中心機関となる施設の設定が緊急かつ不可欠である。これは、学習情報提供・学習相談システムの中核となる施設として、また、生涯学習関連の調査・研究、指導・助言者養成や県民の研修、交流の場としての機能も備えた本県の最も重要な施設である。

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