県立図書館についてのヒアリング

宮井 一帆 氏

宮井 一帆 氏

※ 延岡市立図書館 主任主事。

ヒアリング日 平成28年4月26日
聞き手 清家(生涯学習課)・福田(県立図書館)
文責 生涯学習課


甲斐 眞由美 氏

甲斐 眞由美 氏

※ 宮崎市立佐土原図書館 主任

ヒアリング日 平成28年7月29日
聞き手 清家(生涯学習課)・大木(県立図書館)
文責 生涯学習課



県立図書館と市町村の図書館との協議の場を

  • 県立図書館の実施する事業で市町村に大きく影響のあるものについて、市町村の図書館と顔を合わせ双方向で協議を重ねる場、理解しあう場がほしい。今後どのような方向へ行こうとしているのか、どのような目的のもとにそのサービスを行おうとしているのか、課題など、根源的な話を互いにする必要があると感じている。
     県立図書館は職員の在任期間が限られるせいか、いつの間にか事業内容が変わったり、その後どうなったかうやむやになったり、とまどう場合がある。また、雑誌の分担保存や新聞記事の見出し検索など特に市町村に影響のあるものについては、決まる前に県立図書館としての考えをもう少し詳しく知る機会や、その後の経過について意見を述べ合い共有する場が欲しい。(宮井氏)
  • 顔を合わせて互いの図書館の工夫を共有する場、皆で方法を統一する場がほしい。県内でスクラムを組みたい。市町村の図書館で場をつくろうとしても難しい。県立図書館で、自主参加、個人参加が可能な情報交流会、勉強会を定期的に開催してほしい。図書館同士のつながりが、県民へのサービス拡大につながる。(甲斐氏)
  • 公共図書館連絡協議会の総会やブロック別の集まりには管理職ではなく実務を行っている職員が参加するか、実務を経験している人たちで意見交換できる場を作ってほしい。(宮井氏)

県立図書館の顔が見えるように

  • 職員が3年で代わるとしても、顔が見えるようにできないだろうか。例えば今年度からマイラインサービスの仕組みが大きく変わったが、細かな事について図書館の誰に聞いたらいいのか、職員名簿もあるが、やはり顔が分からないと電話などで尋ねづらい。レファレンスサービスも顔を知らないと遠慮して電話で頼みづらい。「私が○○の担当です。○○について困ったら、気軽に私に聞いてくださいね。」
    という顔見せ的な機会があるといい。(甲斐氏)

県「内」図書館の顔が見えるように

  • 以前はもう少し他の図書館の職員の顔が見えていたが、今は見えなくなっている。県立図書館で市町村図書館も参加できる自主勉強会をしていた時期は他館の職員を知る事ができ、日常の仕事の中で困ったときに、知った顔の職員に頼ることもできたが、現在は各図書館が孤立してきていると感じている。(甲斐氏)

県立図書館の市町村支援に対する期待

  • 日野市立図書館長、滋賀県立図書館長だった前川恒雄氏の著書に、「係長以上が巡回車で市町村の図書館を回り、巡回先の館長にそこが何をしようとしているか、どんなことに困っているかを聞き取り、戻ったうえでどのような支援が可能かを議論し、市町村は、県立が市町村を支援してくれていることを感じてもらっていた。」とあった。
    県と市町村が互いにもっとストレートに話せる関係があるといい。(宮井氏)

市町村が必要な研修・アドバイス・仕組み

  • 県立図書館を会場とする研修に、職員を多く派遣するのは難しい。アドバイザー制度があるが、市町村立図書館職員の能力向上、人材育成についての支援をもっと実施してほしい。(宮井氏)
  • 郷土資料のデジタル化等についてもアドバイスをもらえるといい。(自館では夕刊ポケットなど郷土の新聞のデジタル化について検討したこともある。)(宮井氏)
  • 図書館とは何なのか、というような本質を伝える研修が必要な気がしている。 著作権にしろ、まず著者を守るためにある法律だということがわかっていないと、利用者に対して、図書館で行う複写サービスに、どうして制約があるのかということの説明ができない。(宮井氏)
  • 県内の特色のある資料を展示やイベントの際、他の自治体の館に特別貸出する仕組みをつくることができないか。(例えば延岡市立図書館は布絵本、本館であれば朗読CDが、綾町立図書館であれば照葉樹林関連の資料が充実している。)(甲斐氏)
  • 公共図書館連絡協議会の研修会などの際、希望者だけでも閲覧室のレファレンス資料や、データベースの紹介、バックヤードの書庫などを案内するツアーを行ってはどうか。自分達はふだんデータベースを検索する事によって1冊ずつしか県立図書館の本の存在を確認することはできない。研修は休館日の月曜の開催が多い。案内してもらう事によってレファレンスを頼みやすくなると思う。(甲斐氏)

郷土資料等について

  • 県立図書館の禁帯の郷土資料を、館内閲覧限定で市町村の図書館に貸してもらえないだろうか。貸出が難しい場合は、各市町村立図書館にとって郷土資料にあたるものについては、(著作権の問題の無い場合)全文複写をさせてもらえないだろうか。(宮井氏)
  • 県内の行政資料、郷土資料関係は何があるのか把握しづらいため、集約したリストだけでももらえると、収集の漏れを防ぐことができるのでありがたい。自治体の行政資料は収集が難しい。市町村の図書館へ収集の重要性について、意識づけが必要ではないか。(宮井氏)
  • 各地域の郷土に精通している知識豊富な方々が少なくなってきている。また、各図書館で、郷土資料を所蔵していても、異動・退職等により使いこなせる職員も少なくなってきている。国立国会図書館のレファレンス共同データベースに登録・利用していない市町村図書館もある。県内の郷土に関するレファレンスデータを県立図書館で年に1回でも収集してデータベース化し、県立図書館のホームページで公開できないだろうか。市町村の図書館で郷土のレファレンスのノウハウの共有にもつながる。(甲斐氏)

専門職について

  • 県立図書館には後方支援をしてもらいたいという思いが強い。市町村側の立場になって相談にのってもらえる、図書館勤務が長く高い専門性のある方がいない。頼りがいのあるプロフェッショナルな人がいる状態になってくれるといい。(宮井氏)
  • 公共図書館は対象が広すぎてサービスの効果が見えにくい。自分もだが、わざわざなぜ司書を採用しているのか、という質問に対し、専門職では無い職員とは異なる、堂々と見せられるものが必要と思っている。自分自身も専門職としての能力を高めていかなければと思っている。(宮井氏)

その他の今後県立図書館に望む事

  • 県立図書館のサピエ(デイジーのデータベース)のサービスなどを知らない人が多い。分かりやすい案内が必要ではないか。(甲斐氏)
  • 10年後を考えたときに、高齢化社会の中、介護の問題等がさらに深刻化している状況かもしれない。高齢化社会に向けたサービスの研究や資料の充実、施設などの連携、情報の編集・提供等を行ってもらいたい。(甲斐氏)
  • 住民からは時折電子書籍の図書館での提供について要望が来ているが、市町村の図書館では取り組むのが難しい。図書館での電子書籍サービスの是非についてはまだ流動的な面もあるが、県立図書館で先導的に研究し市町村に情報提供してほしい。(甲斐氏)
ダウンロードファイル
宮井一帆氏(延岡市立図書館 主任主事)H28.4.26 、
甲斐眞由美氏(宮崎市立佐土原図書館 主任)H28.7.29  (PDFファイル 237 KB)
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